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福崎町福崎の産物を受け継ごう、広めよう緑豊かな山に囲まれ、日本民俗学の父である柳田國男の故郷、福崎町が全国に誇る産物「もち麦」。大麦の種類の一つで、通常麺に使用される小麦よりコレステロールを下げる働きのある食物繊維を多く含んでいることから、近年は健康食品としても注目を集めています。昭和初期には団子として食べられていたもち麦を使って、まちおこしの核となる特産品を作ろうと、昭和63 ( 1988)年、もちむぎ麺が誕生。その後も、もち麦を使ったバラエティー豊かな商品が次々と生まれてきました。福崎で生まれたオリジナル商品の一つが「もちむぎおかき」。料理好きの地域のお母さんら8人から成る福崎加工研究会の力作です。「もともと加工していたグループがやめてしまうことになり、何とか引き続き福崎町自慢のもち麦を使った加工品を作っていけないかと思い、始めました」と話すのは、代表の藤後正代さん。家庭用のトースターを使って焼く手作りのおかきは温度調整が難しく、決して簡単な作業ではありませんが、「気の合う仲間とわいわい作るのが何よりも楽しく、だからこそ続けられます」とほほ笑みます。また、平成1? (2006)年度の「ひょうごの農とくらし研究活動コンクール」で福崎加工研究会が食生活改善協会長賞を受賞した「もち麦みたらし団子」は、現在、さまざまなイベント等で振る舞われているそうです。地域を挙げてもち麦の里づくりへいい原料とアイデアあふれる商品がそろい、それらをもっと県内外にPRしていこうと仕掛けづくりに動いたのが、福崎町商工会(会長・後藤雅一さん)です。「もち麦のまちとうたっていても、もち麦料理を食べてもらえるお店が少ないようではいけないということで、まずは町内でもち麦料理を出すお店を増やす必要がありました」と、事務局長の村上三郎さんは話します。店舗数を拡大させる取り組みは成功し、現在では町内25の店舗で多彩なメニューを味わうことができるように。さらに、それらの店舗を紹介した「もちむぎグルメガイドブック」を観光客向けに作成し、QRコードを携帯電話で読み取れば、各店の詳細を見ることができるという利便性も兼ね備えました。また、町立田原小学校では年に1度、もち麦を使った食育教室を行い、実際に粉に触れ延ばす作業を児童らが体験。若い世代に地元の産物の魅力を知ってもらう機会も大切にしています。もち麦が支える福崎町のまちおこし。ふるさとの味は、今後も大きな地域の活力となることでしょう。「ひょうごの食」から人や地域に広がるさまざまな物語をご紹介します。生産農家から地域の加工グループへ、そしてそれを全国にアピールする商工会へとつながれていく「もち麦」のたすきリレー。その物語の裏側には、たくさんの笑顔とまちの強い団結がありました。麦の穂実り、思いも実る◎もち麦商品・・・福崎町(上)もち麦の穂刈り風景。(中)藤後さんら手作りのもちむぎおかきとあめ。(下)特産館「もちむぎのやかた」。(上)もちむぎグルメガイドブック。(中)地域で力を合わせてまちおこしを!(下)子どもたちも大喜び!小学校での食育教室。26