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■ジオパークの承認昨年10月3日遠くギリシャのレスボス島で開かれていた世界ジオパークネットワーク総会において、山陰海岸がジオパークとして加盟が承認された。代表として参加されていた中貝豊岡市長からの電話で知った事務局が万歳万歳を繰り返し喜んでいる映像が生々しい。「世界への扉が開いた」という名言は歓声で聞こえなかったらしい。加盟が認められるまでの過程は荊の道だった。まず平成20年に世界ジオパークネットワーク加盟手続きに臨んだ。この最初のチャレンジの際、洞爺湖有珠山(北海道)、糸魚川(新潟)、島原(長崎)、室戸(高知)とともに挑戦したのだが、落選してしまった。私はかえってこのことが良かった、これが今回の指定につながっていると考えている。なぜかといえば、当時の私たちは山陰海岸の地質的特徴さえあれば、加盟が認められるものだと思い込んでいた。ところが、その要件はもっと幅広で人々の生活との関連づけが必要だったのだ。■ジオパークの要件ジオパークとは、科学的にみて特別に貴重で重要な美しい地質構造を持つ自然公園(大地の公園)をいう。この登録にはいくつかの要件が必要とされる。まず、規模と環境。ある程度の広い面積と区域を持ち、単に地質学的に重要なサイトだけでなく、生態学、考古、歴史文化的価値があること。次に、運営と地域との関わり。地域の住民や自治体と関わり、しっかりした運営計画により運営され、運営組織には、公的機関だけでなく、研究教育機能を持つことが大切とされる。第三に、地域社会の活性化。地質遺産を観光の対象とするジオツーリズム等を通じて地域の活性化を目指す。第四に、教育。自然観察、ガイド、展示などによる地球科学や環境教育普及を行うとともに、これらの拠点を整備し、地球科学を伝えていく。第五に、保護と保存。第六に、世界ネットワーク。一員として積極的に参加して情報交換など積極的に活性化する。つまり、貴重な地質を持つ地域資源を生かして人々の生活が形成され、これが地域の特質をつくり、過去、現在、未来と伝えられていく。この展開に地域全体、住民、教育研究機関、民間などが広く関わっている総体を称するようだ。世界遺産とどう違うのか。ジオパークは、ユネスコが支援する世界ジオパークネットワークが推進する。世界遺産は場所など保護保全が重視されるが、ジオパークは保全と活用、地域の振興が重視され、教育活動やツーリズムなど活動展開が必要とされている。また、4年に一度これらの活動が適切に行われているかどうか審査され、評価によっては取り消されることもあるかなり厳しい運用がされている。■山陰海岸ジオパークの特色山陰海岸ジオパークは、テーマを「日本海形成に伴う多様な地形、地質、風土と人々の暮らし」とした。範囲は、山陰海岸国立公園を中心に、東は京丹後市の経きょうがみさきヶ岬から豊岡香住を経て、西は鳥取市白兎海岸までの東西110キロ、南北最大30キロのエリア。面積2186平方キロ、人口40万人である。地質・地形は、2500万年前に日本列井戸敏三兵庫県知事さエやセわッかー