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井戸敏三兵庫県知事■高齢社会の到来高齢社会といわれる。65歳以上人口のウエートは現在21%、30年後には30%を優に超える。しかし、その絶対数はほとんど変わらない。ということは、年少人口と労働力人口が減少し、人口も減少する人口減少時代を迎えているからだ。ここで、高齢者とは65歳以上の者、年少人口とは15歳未満の子ども、労働力人口とは15歳から65歳未満の者をいう。しかし、この区分は少し現実的ではないと思われるだろう。一つは、労働力人口。15歳から20歳までは学生生活で労働力としてはフルタイムで期待できない。私は常々、労働力人口の区分を実態に合わせるべく変更すべし、と主張している。20歳から70歳までとすれば労働力人口の減少は大変なだらかになる。だからこそ高齢者の就業が社会全体の構造となることが必要である。現に、60歳代はお元気な方がほとんどであり、介護保険サービスを受けている者も65歳から74歳までの前期高齢者では数%に過ぎない。しかも、多彩な経験と技能を持たれている。一定の社会的な役割を期待していいのではないか。定年後であるから給与は年金分を差し引いてよいだろう。■高齢者と仕事企業では、再雇用や定年延長など多様な活用方式が工夫されている。公務員の世界でも再雇用などの制度があるし、原則65歳まで定年を延長することも検討されている。私は、ホームヘルプサービスなどの介護サービスは60歳以上の高齢者にとってふさわしい仕事といえるのではないかと考えている。なぜかといえば、若い労働力の不足が懸念されるなか、恒常的に人材不足が続く福祉施設等で、余力のある高齢者が福祉の現場で働くことができるのではないか。もちろんハードな体力を要する場面も多いことは承知しているが、高齢者は同じ年代の人たちの気持ちを理解できるし、相手の身になってお世話ができるのではないかと思うからである。最近では、介護ロボットを身に付けることにより、力不足をカバーすることも可能になりつつある。有償ボランティアやコミュニティビジネスの世界も高齢者を対象にしたサービスが注目される。例えば、給食や配食サービスである。一人暮らしの高齢者世帯などの食事の注文を受け、弁当を作り、これを届ける事業である。材料の手当て、調理、配送のための車の運転など協力しながら高齢者でも事業運営ができる。また、シルバー人材センターは、働く意欲のある高齢者を登録し、仕事を募集し、マッチングして高齢者の生きがい就業を支援している。ただ、庭の手入れとか清掃とか単純作業が多く、なかなかその経験や技能が活かされにくいうらみがあるので、まさに、その人にふさわしい仕事のマッチングができるようになることを期待したい。企業のOBの方々がNPO法人をつくり、例えば、海外技術協力を行っておられる活動さエやセわッかー