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更新日:2008年6月19日

歴史と交流が息づく港町を訪ねて~たつの市御津町室津~

 県の南西部、西播磨地域に位置し、南北に長い地形をもつたつの市。市の南部にある御津町室津は瀬戸内海に面し、新鮮な魚介類が水揚げされる天然の良港です。この港に「幻の弁当」と呼ばれる一品があります。その名は「魚魚市(とといち)弁当」。以前いただいたそのお弁当の味が忘れられなくて、今回はその場所を訪れました。

 平成19年に「優秀観光地づくり賞」を受賞したたつの市から、活気あふれるお弁当作りや港町ならではの町並み、そこに暮らす人々の温かいおもてなしをご紹介します。

平成19年「優秀観光地づくり賞」受賞~たつの市~

四方を山に囲まれた室津の港

 南北に連なる形で一級河川揖保川が流れるたつの市は、大きく4つのエリアに分けられます。中心の龍野エリアは揖保川と原生林・鶏籠山(けいろうざん)など緑豊かな自然に囲まれた脇坂藩5万3千石の城下町で「播磨の小京都」ともいわれています。しょうゆなどの地場産業が盛んで、古くから山陽道、揖保川の水運など交通の要衝としても発展し、現在も山陽自動車道や姫新線など人と物の交流の拠点となる地域です。

 また、北部にある新宮エリアでは国指定の史跡や播磨科学公園都市が広がり、世界にひらかれたまちづくりが進んでいます。龍野エリアの南にはトマトや花壇苗など都市近郊型の農業が広がる揖保川エリア、そして揖保川下流域で瀬戸内海に面しているのが御津エリアです。瀬戸内海国立公園の新舞子浜や世界の梅の品種を集めた世界の梅公園など温暖な気候を生かした海と山の魅力がいっぱいの御津町。中でも、1300年の歴史をもつ室津漁港は平成18年2月、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」(水産庁主催)にも選ばれました。


 このようにさまざまな特色をもつたつの市は、平成19年、地域の魅力を発展させ、他の地域の参考になるような観光地づくりをしている団体を表彰する社団法人日本観光協会主催の「第15回優秀観光地づくり賞」で同協会会長賞を受賞しました。「資源の保存だけでなく、地場産業の皮革を使って地元の学生がファッションショーを行うなど、観光地の活性化に積極的に取り組んでくれている地域の皆さんの活動が評価されたのだと思います」と受賞理由を話す市産業部商工観光課の内海さん。そのお話のとおり、今回取材した室津では地域を愛し、その魅力を多くの人に伝えようとする方々にお会いすることができました。


☆室津へのアクセス
電車:山陽電車網干駅より大浦行きバスで25分、JR網干駅より山電網干駅経由のバスで35分
車:姫路バイパス中地ICより国道250号を西へ40分、山陽自動車道龍野ICより南へ30分
バスの時刻表はこちらを → 神姫バスHPhttp://www.shinkibus.co.jp/index.html(外部サイトへリンク)

 

愛情いっぱい!地産地消で作る絶品のお弁当~室津漁業協同組合女性部~

遠方からも多くの人が訪れる魚魚市

 最初に訪れた所は漁港にある直売所「魚魚市」。丘の上のバス停から石畳の坂を下ると潮の香りとともに、目の前に漁港が広がります。10時に開店した市場はすでに多くの人でにぎわい、集まった人たちの掛け声が飛び交っています。その一角で大人気のお弁当「魚魚市弁当」を作っているのが室津漁業協同組合女性部の皆さんです。

 女性部は昭和34年の発足以来、海浜の清掃や山の植林など、海を守る活動に取り組んできましたが、最近は地元でとれる魚をもっと食べてもらおうと「魚食」の普及に取り組み、平成14年に魚魚市をオープン。2年後には飲食店営業の許可を得て、加工品や弁当の販売を行っています。

 特徴は地産地消。アジの甘露煮やタコとキュウリの酢の物、ちくわの磯部揚げなどの魚だけでなく、タケノコの煮しめやマカロニサラダなど、栄養面を考えたメニューは地元で取れたものばかりです。新鮮な食材と家庭の味が生かされたおかずは、龍野のお米といただくと本当においしい! 550円とは信じられないボリュームもあります。地元のお年寄りの口コミから広まり、今は神戸や大阪からも買いに来る人がいるというこの魚魚市弁当は、最大の170食がほぼ予約で完売してしまいます。「本当はもっと作りたいけれどスペース的に無理なのと、メンバーはそれぞれ家の仕事もあるので、できる範囲でやらないとね」と話すのは、旬のイカとタマネギとニンジンのかき揚げを作っていた代表の本多春代さん。「忙しさで手が回らないのよ」と笑いながらも、お弁当を待ってくれている人がいる限り、休もうと思ったことがないと言います。


 さて、この魚魚市では、室津港で水揚げされた魚をその場で三枚におろしたり、魚介類の処理を体験することもできます。私も漁協の大沢定子さんにアジやシタビラメの三枚のおろし方やイカの処理を教えていただきました。まずうろこを取って、次に頭を、そして包丁を骨と骨の間に入れて・・・。出来栄えは先生と比べ物になりませんが、一口いただいたお刺し身も絶品でした。


 県内の小中学校に食育の出張指導も行っている女性部の皆さんの今後の夢は、若い後継者を育てつつ簡単な食事ができる“浜のかあちゃんの食堂”をつくること。「おもてなしってどんなことでしょう」と尋ねる私に、「地産地消のおいしいものを低料金で食べていただくことが一番だわ」と元気いっぱい答えてくださった本多さん。自然体で生き生きと輝く皆さんの姿が、にぎわう市場をさらに活気づけています。


☆魚魚市(とといち)

住所:たつの市御津町室津493番地の2 (大浦行きバス停「室津西口」下車徒歩5分)

電話:079-324-0231 

*市場は毎週土曜、日曜の10時から14時までオープン(なくなり次第終了)

*魚魚市弁当は土曜日の魚魚市で販売(要予約)。平日は20個以上のご注文で予約を受け付けますが、出来上がったものは市場での引き取りをお願いします。7~9月末まではお弁当の販売をお休みします。自慢の惣菜類などを販売しますのでぜひこちらもご賞味ください!


 

歴史が息づく海の駅~室の津~

案内していただいた柏山さん

 午後から「御津めて室津観光ガイド」代表の柏山泰訓さんに町を案内していただきました。町の中心にある市立室津海駅館から市立室津民俗館、そして岬にある賀茂神社へと湾に沿って曲がりくねった町並みは、歩くごとにその風景を変えていきます。


 海駅館は近世から近代にかけて廻船(かいせん)問屋として活躍した豪商「嶋屋」の遺構で、民俗館の「魚屋」とともに、室津の大規模な町屋を代表する数少ない建物です。海の宿駅として栄えた室津の歴史を、北前船の流通を探る「廻船」、多い時には6軒の本陣を構えていたという「参勤交代」、長崎のオランダ商館長が江戸の将軍を拝礼した際の「江戸参府」、そして500人前後の大船団が訪れた「朝鮮通信使」という4つのテーマに分けて紹介しています。医者として江戸参府に参加したシーボルトやケンペルの資料からは、室津が単なる寄港地としてだけでなく、日本を知る上陸地として大切な役割を担っていたことが分かり驚きました。


 貴重な文化財を残し生かすことに積極的に取り組んでいる柏山さんですが、実は一番好きな景色は、朝と夕方の海の風景だそうです。朝焼けの中、港から船が出て行く様子と夕方に港で待っている家族の明かり。ほっと心温まる一瞬です。きれいな観光地として歴史を語るだけでなく、そんな生活が感じられるような町をつくっていきたいと考える柏山さんたちガイドさんは、近年そうした思いが地元の人にも伝わってきていると手ごたえを感じています。


 海を通じた交流拠点としてのにぎわいと歴史がもつ落ち着いた雰囲気が重なる町、室津。昔の人もこの地で瀬戸内海を眺めながら、四季折々のおいしいものをいただいたり、遠くふるさとに思いをはせたりしていたのでしょうか。歴史と交流が息づく室津に皆さんもぜひお出かけください。


☆御津めて室津観光ガイド

代表者:柏山泰訓(かしやま・やすのり)

住所:たつの市御津町室津457 市立室津海駅館内

電話・FAX:079-324-0595

*歴史や町並みなどお客様のご要望に応じてご案内します(有料)。遅くとも5日前までにご予約ください

*お申し込みは電話もしくはFAXで9時30分から16時30分(月曜日を除く)にお願いします

 

室津キラリ☆情報!~町屋でちょっとひと休み&八朔(はっさく)のひな祭り~

とっておきのお休みどころ「室の里」の横野さん

 今回は町を案内していただいた時に教えてもらったすてきな“お休みどころ”とお祭りをご紹介します。町の少し西側にある「室の里よこの」は、ご自宅の一部をそのまま開放したお休みどころ。地元の人も観光客も自由におじゃますることができます。京都の町屋のような土間と畳のスペースには、民芸品や茶器などが並び、お住まいの横野香魚子さんが出迎えてくれました。柏山さんは地域の人に協力していただき、今後はこのような民家を開放したお休みどころをつくっていきたいと考えています。

 

 そして、もう一つ観光客を温かく迎えてくれるイベントとして、「八朔のひな祭り」があります。八朔とは旧暦の8月1日のことで古くから重要な節目として各地でさまざまな行事が催されていますが、室津では、八朔にひな祭りを行います。それは「室津追考記」によると、永禄9(1566)年1月11日、室津にある室山城主浦上政宗の弟の宗景の婚礼の夜に、かねて対立関係にあった龍野城主赤松政秀の急襲にあい、花嫁が命を落としたとされることから、非業の死を遂げた花嫁の鎮魂のために、3月3日ではなく半年遅れの八朔にひな祭りを延長したそうです。

 現在は、各家庭がそれぞれ持つひな人形を家の中に飾り、訪れた人がそれを自由に見ることができるほか、四国最大のひな祭りのイベントが行われる東かがわ市のひな人形も海を渡ってやってきます。平成20年も8月下旬(一週間程度)に開催される予定です。詳しくは、たつの市産業部商工観光課(電話:079-164-3156)までお問い合わせください。


☆室の里よこの

住所:たつの市御津町室津100(横野様宅)

電話:079-324-0103

*入り口にある「むろの里」という看板が目印です

お問い合わせ

部署名:企画県民部知事室広報課
電話:078-362-3016
FAX:078-362-3903
Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp